酒ディプロマの勉強計画|合格までの流れと時期別スケジュール【2027年度】
この記事を監修
平沼柊哉
酒学道場 代表・J.S.A.正会員
この記事の結論
- 酒ディプロマの勉強の軸は、公式教本と問題演習の往復です。教本は醸造から読み、読んだ範囲はすぐ問題で確かめ、間違えた箇所を教本で読み直します。
- 一次試験(CBT・60分100問)の過去問は公開されていません。章別の問題演習と、60分100問の模試で代わりに練習します。
- 二次試験(テイスティング30分・論述20分)は、一次の勉強中から準備します。2026年度は一次の終了から二次まで約1か月でした。
- 勉強時間は100〜300時間が目安です。3か月で準備するなら、平日30分〜1時間・休日2〜3時間で約78〜132時間になります。
- 2025年の合格率は31.1%でした。2027年度の日程は、2026年10月26日時点で発表されていません。
この記事の対象読者
- 酒ディプロマの勉強を、何から・どの順で始めればよいか知りたい方
- 独学で一次試験と二次試験の両方に備えたい方
- 過去問・問題集・スクールのどれを使うか迷っている方
酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)は、一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定する日本酒と焼酎の資格です。試験は一次試験(知識)と二次試験(テイスティング・論述)の2段階で、出題は公式教本に準拠します。
合格までの流れと時期別の計画を、この1ページにまとめました。細かい手順は、各見出しから専用の記事へ進んでください。問題を解きながら進めたい方は、酒ディプロマ試験対策の問題集(酒学道場)で、第1章の4択問題をそのまま解けます。
試験は一次のCBTと、二次のテイスティング・論述の2段階
2026年度の実施内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容(2026年度) |
|---|---|
| 一次試験 | CBT方式。テストセンターのパソコンで、60分・100問の四択に答える。期間内に日時と会場を選ぶ |
| 一次の受験回数 | 出願時に1回受験か2回受験を選ぶ |
| 一次の合否 | 試験の終了直後に画面に表示される |
| 二次試験 | テイスティング30分・論述20分。全国の指定会場で同じ日に行う |
| 日程 | 出願 3月2日〜7月10日、一次 7月15日〜8月26日、二次 9月28日(すべて終了) |
| 受験資格 | 基準日(2026年度は8月31日)時点で満20歳以上。職歴は問わない |
| 受験料(税込) | 一次1回受験:一般32,900円・会員23,700円。2回受験:一般37,800円・会員28,600円 |
| 合格後の費用 | 認定登録料20,950円(税込) |
| 一次試験の免除 | 一次通過の翌5年間のうち3回まで |
2027年度の日程は、2026年10月26日時点で発表されていません。2026年度は3月上旬に出願が始まり、7月中旬から一次試験がありました。翌年も同じ時期とは限らないため、日本ソムリエ協会の試験案内で確認してください。
公式教本は書店では売られていません。出願すると届きます。届く前にできる準備は、後半の時期別スケジュールで紹介します。
合格率は2025年で31.1%。直近5年は3〜4割台
日本ソムリエ協会の「資格保有者一覧表」によると、最終合格率は次のように推移しています。
| 年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 2,006人 | 623人 | 31.1% |
| 2024年 | 2,014人 | 779人 | 38.7% |
| 2023年 | 1,899人 | 668人 | 35.2% |
| 2022年 | 2,054人 | 878人 | 42.7% |
| 2021年 | 2,183人 | 970人 | 44.4% |
出典:日本ソムリエ協会「資格保有者一覧表」(2026年1月1日現在)
受験者の半数以上が不合格になる試験です。難しさの理由は3つあります。教本の脚注や数値、都道府県別のデータまで四択で問われること。テイスティングで感じたことを決められた用語で選ぶこと。そして20分で論述を書き切ることです。
ただし、1年ごとの上下だけで試験が難しくなったとは言い切れません。年ごとの受験者数やきき酒師などとの比較は、酒ディプロマの合格率・難易度の推移にまとめています。
勉強時間の目安は100〜300時間。前提知識で大きく変わる
初学者が準備する場合、100〜300時間を見込む計画例がよく使われます。日本酒の知識がある人や、隙間時間を集中して使った人の中には、50時間未満で合格したという受験者もいます。
必要な時間は「期間 × 1週間の量」で逆算すると、計画に落とし込めます。
| 準備期間 | 1週間の学習時間 | 合計 |
|---|---|---|
| 3か月(12週) | 6.5時間(平日30分・休日2時間) | 約78時間 |
| 3か月(12週) | 11時間(平日1時間・休日3時間) | 約132時間 |
| 2か月(8週) | 10〜15時間 | 約80〜120時間 |
計画を立てたら、最初の1週間で実際に使えた時間を記録します。問題を解いた時間だけでなく、間違えた箇所を見直した時間も含めます。そのうえで、続けられる配分に直します。働きながらの計画の立て方は、社会人が独学3か月で準備する学習計画で詳しく説明しています。
一次試験は「教本 → 章ごとの演習 → 復習 → 模試」の順で進める
一次試験では、受験者ごとに問題プールから100問が選ばれます。直近の試験と同じ問題が出るとは限らないので、山を張るより、教本の全体を問題で確かめていく進め方が向いています。CBTの仕組みはCBT方式の解説を参照してください。
1. 教本は醸造から読み、通読は1周で切り上げる
最初に読むのは醸造(原料・製法)の章です。製造工程の流れがわかると、酒米や都道府県、テイスティングの記述も理由と結びつけて読めます。
次に、教本の後半にある焼酎・泡盛へ進みます。目次の順に読むと、ここにたどり着くのが直前になりがちです。
通読は全体をつかむ1周で十分です。2周目からは、問題で間違えた箇所を調べる辞書として教本を使います。読む順番の詳細は教本の読み方と読む順番にあります。
2. 読んだ範囲は、その日のうちに問題で確かめる
数ページ読んだら、その範囲の問題を5〜10問解きます。読んで「わかった」と思うことと、四択で正解を選べることの間には差があります。たとえば山田錦と五百万石の交配親や育成地は、読んだ直後でも取り違えやすい項目です。
章ごとに押さえたい用語は、一次試験の重要キーワード早見表で確認できます。
3. 間違えた問題は教本に戻り、翌日に解き直す
間違えた理由を「初めて見た用語」「似た用語の混同」「設問の読み違い」に分けると、次にやることが決まります。教本は該当箇所の前後まで読みます。翌日、答えを見ずにその用語を説明できるかを試します。
この復習の手順は、酒ディプロマの勉強法で詳しく説明しています。
4. 一巡したら、60分100問の模試で時間配分を確かめる
60分で100問を解くので、1問にかけられるのは平均約36秒です。教本と章別の演習を一通り終えたら、時間を測って100問を通しで解きます。
見るのは点数より、どの分野で失点したかです。失点した分野を教本と章別の演習で補強し、もう一度模試で確かめます。
焼酎と都道府県の章を手薄にしない
受験者アンケートでは、日本酒の章だけでなく焼酎や都道府県別の章まで勉強しておくべきだった、という声がありました。焼酎は「原料 × 麹(黒・白・黄)× 蒸留(常圧・減圧)」の組み合わせで整理すると覚えやすくなります。
焼酎・泡盛の要点は焼酎・泡盛の対策に、教本と問題演習の回し方や復習の間隔は酒ディプロマの勉強法にまとめています。
二次試験は、一次の勉強中から準備を始める
2026年度は一次試験の期間が8月26日に終わり、二次試験は9月28日でした。一次の合否が出てから始めると、準備できるのは約1か月です。テイスティングも論述も、慣れるまでに時間がかかります。
テイスティングは、2〜3種類を並べて比べる
テイスティングは30分で、例年は日本酒4種と焼酎2種が出ます。銘柄を当てる試験ではありません。外観・香り・味わいを観察し、用紙の選択肢から合う用語をマークします。
自宅では1本ずつ飲むより、違いがはっきりした酒を並べて比べます。たとえば純米吟醸と純米酒をグラスに注ぎ、香りと味わいの差を用語で言い分けます。焼酎は小容量のボトルを原料ごとに揃えると、費用を抑えられます。
評価の手順はテイスティングの評価軸と記入手順に、日本酒・焼酎を見分ける軸と8週間の練習計画は日本酒・焼酎の比較練習と時間配分にあります。
論述は、200字以内で書き切る練習をする
論述は20分です。2025年度は3問が出て、それぞれ200字以内でした。1問あたり約6分40秒しかありません。
結論を最初に書き、製法や背景、味わいへの影響を続ける。この型を決めておくと、時間内に書き終えられます。一次の勉強中から、覚えた用語を200字程度で説明してみると、そのまま論述の練習になります。
2025年度のテーマと解答の型は、論述の過去問と200字の解答テンプレートで確認できます。
過去問は、一次は非公開。二次の論述は出題テーマがわかる
一次試験(CBT方式)の公式な過去問はありません。 問題は持ち出しが禁止されていて、協会も過去問題集を出していません。市販の問題集やアプリの問題は、公式教本をもとに作られた練習問題です。
そのため一次試験は、次の2つで代わりに練習します。
- 章別の問題演習で、教本の各章がどう問われるかをつかむ。答えの根拠は毎回教本で確かめる
- 60分100問の模試で、時間配分と弱点の分野を確かめる
二次試験の論述は事情が違います。2025年度は「山廃」「GI東京島酒」「常圧蒸留の芋焼酎に合わせる料理と飲み方」の3テーマが出題されました。協会は試験後に、設問ごとの採点ポイントも公表しました。過去のテーマで200字の答案を書き、採点ポイントと照らし合わせる練習ができます。
教材は「公式教本 + 問題演習の手段」で選ぶ
出題の根拠は公式教本です。そのため教材を増やすより、教本と問題演習の往復を回せるかどうかで選びます。
| 観点 | 公式教本だけで独学 | スクール(通学・通信) | 問題集アプリ・Web問題集 |
|---|---|---|---|
| 費用感 | 低い(教本は出願すると届く) | 高め。講座によって差が大きい | 無料で一部を試せるものがある。全範囲は有料のものが多い |
| 解説 | 教本の記述そのものが根拠になる | 講師に質問できる | サービスによって有無や詳しさが違う |
| 復習 | 間違いを自分で記録する | 講座の課題や小テストで確かめる | 間違えた問題を出し直す機能があるかを確認する |
| 模試 | なし | 講座によっては実施される | 本番形式の模試があるかを確認する |
| 二次の実技 | 自分で酒を揃えて練習する | テイスティングの指導を受けられる | 実物での練習は別に必要 |
選ぶときは、まず解説を確かめます。間違えた理由がわからないと、教本のどこに戻ればよいか決まらないからです。次に、間違えた問題を出し直す機能と、60分100問の模試があるかを見ます。二次のテイスティングは、どの教材を選んでも実物での練習が欠かせません。
アプリごとの確認点は酒ディプロマ対策アプリの選び方にまとめています。
酒学道場は、教本の全8章に沿った酒ディプロマ試験対策の問題集です。全問に解説があり、60分100問の模擬試験、一問一答の暗記カード、間違えた問題の自動復習を使えます。第1章の4択問題と模擬試験1回は、そのまま解けます。
時期別スケジュール:一次試験の6か月前・3か月前・2か月前
2026年度と同じく、7月中旬に一次試験が始まる場合の目安です。2027年度の日程が発表されたら、それに合わせてずらしてください。
| 一次試験まで | やること |
|---|---|
| 6か月前(1月ごろ) | 教本が届く前の準備期間。特定名称酒の区分や醸造の大まかな流れなど、基礎の用語に慣れる。出願が始まったら早めに出願し、教本を受け取る |
| 3か月前(4月ごろ) | 教本を醸造、焼酎・泡盛の順に読み、読んだ範囲ごとに問題を解く。1週間に使えた時間を記録して計画を直す |
| 2か月前(5月中旬ごろ) | 通読を終え、問題演習を中心に切り替える。間違えた箇所を教本で読み直し、弱点の分野を洗い出す。週に一度、2種類の酒を比べて飲む |
| 直前2週間 | 60分100問の通し演習を2〜3回行う。特定名称酒の要件や酒米など、取り違えやすい数値と名称を見直す |
| 一次試験の後 | テイスティングの比較練習と、200字の論述練習に集中する |
残り2か月から始める場合の詳しい計画は、一次試験まで約2か月の独学スケジュールにあります。
よくある質問
酒ディプロマの勉強は何から始めればいいですか?
公式教本の醸造の章から読み始めます。読んだ範囲はすぐに問題で確かめ、間違えた箇所を教本で読み直す流れを最初から作ります。教本が届く前は、特定名称酒の区分や醸造の大まかな流れなど、基礎の用語に慣れておきます。
酒ディプロマは独学でも合格できますか?
独学でも合格を目指せます。一次試験は公式教本と問題演習の往復で備えます。二次試験は、自宅で酒を並べて比べるテイスティング練習と、200字以内で書く論述練習を重ねます。テイスティングの指導を受けたい場合は、スクールやセミナーを併用する方法もあります。
酒ディプロマの勉強時間はどのくらい必要ですか?
初学者の計画例では100〜300時間が目安です。3か月で準備する場合、平日30分〜1時間・休日2〜3時間で約78〜132時間になります。前提知識によって差が大きく、50時間未満で合格した受験者の声もあります。
酒ディプロマに過去問はありますか?
一次試験(CBT方式)の公式な過去問は公開されていません。章別の問題演習と、60分100問の模試で代わりに練習します。二次試験の論述は、2025年度の3テーマがわかっており、日本ソムリエ協会が試験後に設問ごとの採点ポイントを公表しました。
二次試験の準備はいつから始めればいいですか?
一次試験の勉強中から少しずつ始めます。2026年度は一次試験の期間が8月26日に終わり、二次試験は9月28日でした。一次の合否が出てから始めると、準備できるのは約1か月です。
2027年度の酒ディプロマの試験日程はいつですか?
2026年10月26日時点で発表されていません。2026年度は出願が3月2日〜7月10日、一次試験が7月15日〜8月26日、二次試験が9月28日でした。最新の日程は日本ソムリエ協会の試験案内で確認してください。
酒ディプロマの合格率はどのくらいですか?
2025年は31.1%(受験者2,006人・合格者623人)でした。2021〜2025年は31.1〜44.4%で推移しています。
最初の1週間でやること
最初の1週間は、次の4つで足ります。
- 日本ソムリエ協会の試験案内で、2027年度の日程が出ているか確かめる
- 教本(届く前なら入門の資料)で、醸造の章を数ページ読む
- 読んだ範囲の問題を10問解き、間違えた用語をメモする
- 1週間に使えた勉強時間を記録し、計画を直す
参考文献・情報源
- 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)SAKE DIPLOMA認定試験 試験案内(2026年10月26日確認)
- 日本ソムリエ協会「資格保有者一覧表」(2026年1月1日現在)(2026年10月26日確認)
- J.S.A. SAKE DIPLOMA教本
📝 更新履歴
- 2026年10月26日:初版公開
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