【2026年版】酒ディプロマ一次試験に受かる勉強法|出題傾向と合格戦略
この記事を監修
平沼柊哉
酒学道場 代表・J.S.A.正会員
この記事の結論
- 酒ディプロマの合格率は35〜44%(2017〜2024年平均は約40%)。教本の細かな知識まで問われます。
- ソムリエ試験と異なり、教本が約250ページと薄いため、全体を何周も読み込む学習が軸になります。
- 勉強時間の目安は100〜300時間の計画例が一般的ですが、進め方によって50時間未満での合格例もあります。
- 学習の基本は「教本精読 → 問題演習 → 弱点確認 → 教本での照合」の反復です。
この記事の対象読者
- 酒ディプロマ試験の受験を検討している方
- 合格率や難易度の公式実績を確認したい方
- 独学での進め方や必要な学習時間の計画例を知りたい方
- 公式教本の具体的な読み込み方を知りたい方
- ソムリエ試験やきき酒師との違いを把握したい方
酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)は、一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が主催する日本酒と焼酎の知識認定試験です。合格率は例年35〜44%(2017〜2024年の8年間平均は約40%)で推移しています。
出題はJ.S.A.の公式教本から行われます。試験対策の核となるのは、教本を隅々まで読み込み、問題演習で理解の穴を埋めていく作業です。本記事では、過去の受験者アンケートや出題実績をもとに、一次試験に向けた学習の進め方を整理します。
酒ディプロマ試験の概要と受験規定
2026年度の試験日程および規定は以下の通りです。なお、2026年度の出願および一次試験は終了しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出願期間 | 2026年3月2日(月)10:00 〜 7月10日(金)17:59 |
| 一次試験(CBT方式) | 2026年7月15日(水)〜 8月26日(水) |
| 二次試験(テイスティング・論述) | 2026年9月28日(月) |
| 受験資格 | 2026年8月31日時点で満20歳以上 |
| 一次試験免除 | 一次試験通過の翌5年間のうち3回まで免除(合格年を含めない) |
一次試験はコンピュータで四択問題を解くCBT(Computer Based Testing)方式で行われ、期間内に全国のテストセンターで受験します。出願時に1回受験または2回受験を選択できます。問題はプールされた設問から受験者ごとにランダムで出題されるため、過去問と同一の問題がそのまま出題されるとは限りません。
受験費用は、一次試験1回受験の場合で一般32,900円・会員23,700円、2回受験の場合で一般37,800円・会員28,600円です。一次・二次に合格した後の認定登録料は20,950円です(一般1回受験と認定登録料の合計は53,850円。教材費や交通費等は別途)。最新情報は日本ソムリエ協会公式サイトをご確認ください。
合格率と難易度の実績推移(2017〜2024年)
日本ソムリエ協会が公表している2017年から2024年までの受験者数と合格者数、合格率は以下の通りです。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 2,006人 | 623人 | 31.1% |
| 2024年 | 2,014人 | 779人 | 38.7% |
| 2023年 | 1,899人 | 668人 | 35.2% |
| 2022年 | 2,054人 | 878人 | 42.7% |
| 2021年 | 2,183人 | 970人 | 44.4% |
| 2020年 | 2,228人 | 984人 | 44.2% |
| 2019年 | 2,456人 | 867人 | 35.3% |
| 2018年 | 2,562人 | 976人 | 38.1% |
| 2017年(初年度) | 3,515人 | 1,458人 | 41.5% |
出典:日本ソムリエ協会 2024年度SAKE DIPLOMA認定試験 合格者発表

合格率は初年度から4割前後で推移しており、一次試験・二次試験をあわせた総合的な難易度は高めです。合格基準点や配点は公式には非公開ですが、教本に記載されている細かな数理データや固有名詞からも出題されます。
きき酒師との違い
日本酒の資格として知られる「きき酒師」と酒ディプロマでは、主催団体や試験の狙いが異なります。
| 項目 | 酒ディプロマ | きき酒師 |
|---|---|---|
| 主催団体 | 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.) | 日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI) |
| 公表合格率 | 約40%(2017〜2024年平均) | 約80%(SSI公表値) |
| 試験の焦点 | 醸造科学・歴史・産地・焼酎・ペアリング理論 | 飲食店・酒販店でのサービス実践・提供提案 |
| 教本範囲 | 公式教本(約250ページ)の全域 | 指定教材の主要ポイント |
飲食の現場で顧客に合わせた提供方法を学びたい場合はきき酒師、酒造りの技術的背景や地域ごとの詳細なデータを含む学術的体系を学びたい場合は酒ディプロマが選択肢になります。
出題傾向の分析:教本の細部と周辺分野の確認

掲載した受験者の回答には、教本の細部や幅広い章を確認しておくよう勧める声があります。
教本の隅にある記述も出題対象になる
試験では、酒税法上の定義や代表的な酒米の名称といった基本事項にとどまらず、教本の脚注や小さなコラムに書かれた事柄も出題範囲に含まれます。
- 酒米の交配系譜や登録年、育成地
- 特定名称酒の要件における例外規定や数値基準
- 伝統的な製法における温度管理や日数の目安
教科書の隅に書かれている様な所も見ておいた方が良いです ── 受験者 なー さん(アンケートより)
大見出しの要点だけを拾う勉強法では、四択の選択肢を絞りきれないケースが生じます。
日本酒以外の章(焼酎・都道府県別データ)の重要性
製造工程や酒米に学習時間が偏り、後半の章で失点するパターンも見られます。
日本酒や焼酎とのペアリングは余裕があればでよいが、酒米の歴史や製造工程、都道府県別の特徴はおさえておくと安心。 ── 受験者 田中 さん(アンケートより)
日本酒の事だけではなく、第3章、第7章も勉強しておかないと厳しいとおもいました。 ── 受験者 へ さん(アンケートより)
教本に収録されている各都道府県の清酒生産量、主な酒造好適米、地域独自の酒造りの歴史、本格焼酎・泡盛の定義や製造規定なども重要な出題対象です。「日本酒の醸造だけ」に絞らず、教本の構成比に合わせて満遍なく目を通す必要があります。
合格に向けた学習サイクルの回し方

合格者が実践している基本的な学習サイクルは、「読む」と「解く」を往復する4段階です。
ステップ1:教本精読と講義動画での理解
最初は教本全体を流し読みして目次と全体の流れを把握し、2回目以降に各章を精読します。醸造工程(生酛系酒母の仕組み、製麹の温度変化など)の文章だけではイメージが湧きにくい箇所は、講義動画を併用して視覚的に理解を補います。
酒学道場では、公式教本に沿った全48回の無料講義動画を公開しています。1本あたり7〜15分で、歴史、醸造、酒米、都道府県別の特徴、焼酎までカバーしています。
ステップ2:章ごとの問題演習
章を読んだら間を置かずに問題を解きます。文章を読んで「理解した」と感じることと、選択肢の中から「正解を選び出せる」ことの間には差があります。
例えば「山田錦」と「五百万石」の交配親や育成県の違いは、教本を読んだ直後でも混同しやすい項目です。問題を解くことで、自分がどの数値を記憶できていないかが明確になります。
とにかく隙間時間で酒学道場あるのみですかね。8月に入ってからの短時間(50時間未満)で合格できたのはこのアプリのおかげかと思います ── 受験者 ぱにょ さん(アンケートより)
机に向かうまとまった時間が取れない場合でも、スマートフォンで1回数問ずつ解く習慣を作ることで学習が進みます。酒学道場では約2,000問の練習問題を章別に解くことができます。サービスごとの機能の違いは酒ディプロマ対策アプリの比較も参照してください。
ステップ3:本番形式の模擬演習
一定の範囲を終えたら、本番と同じ60分100問の形式で通し練習を行います。時間を測って解くことで、ペース配分の確認ができるほか、点数が伸びない分野(例:焼酎、ペアリング、特定地域の酒造りなど)が浮き彫りになります。
ステップ4:教本に戻る弱点補強
模擬演習で見つかった弱点は、教本の該当ページに戻って再読します。一度問題を解いて間違えた経験があると、初読時には読み流していた単語や数字が重要事項として認識できるようになります。
| 学習段階 | 目的 | 使用教材の例 |
|---|---|---|
| インプット | 全体像の把握と精読 | J.S.A.公式教本、講義動画 |
| アウトプット | 理解度と記憶の確認 | 章別問題集、Webアプリ演習 |
| 実力確認 | 時間配分と弱点分野の特定 | 本番形式の模擬試験 |
| 再読・定着 | 弱点箇所の精読と照合 | J.S.A.公式教本 |
2周目以降の進め方:問題先行への切り替え
教本を一通り読み終えた後の2周目以降は、「問題を先に解き、間違えた箇所だけ教本を調べる」という辞書的な使い方に切り替えると時間を節約できます。正解できる部分の再読を省き、あやふやな知識に集中して時間を割くことができます。
学習を進める際のポイント

- 夜の間違い確認と翌朝の解き直し:前日に間違えた設問を翌朝もう一度解くことで、記憶の定着を助けます。
- 分野の横断:「今週は醸造のみ」と固定せず、酒米の暗記と焼酎の製法などを並行して進めると、共通点や相違点の整理が進みます。
- ノート作成に時間をかけすぎない:教本の内容をきれいにノートへ書き写す作業は時間がかかります。書く作業は、何度解いても間違える用語や数値のメモ(直前確認用)に絞る方が演習量を確保できます。
より体系的な復習手法については、科学的な学習法を解説した記事でも扱っています。
学習時間の目安と学習計画例
合格に必要な学習時間は、一般に100〜300時間程度が目安とされています。日本酒の基礎知識の有無によって差があり、予備知識がある方や隙間時間を集中的に使った方では50時間未満での合格例もあります。
約5ヶ月間の学習計画例(3月開始の場合)
一次試験(7月中旬〜8月下旬)に向けて春先から準備を進める場合の計画例です。
| 時期 | 学習の重点 | 1日の学習目安時間 |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 教本の通読。全体の構成と用語に慣れる。講義動画の視聴を併用 | 30〜60分 |
| 2ヶ月目 | 日本酒の歴史、醸造工程、酒米の精読と章別問題演習 | 60分 |
| 3ヶ月目 | 都道府県別の特徴、焼酎・泡盛、テイスティング理論への拡大 | 60〜90分 |
| 4ヶ月目 | 模擬試験の実施、弱点分野の教本再読(教本2周目の完了) | 60〜90分 |
| 直前月 | 模擬演習の反復、間違えた設問の周辺データや数値の最終確認 | 60分 |

期間中に教本を2周から3周読み通し、問題演習と突き合わせることが合格ラインに届くための現実的な基準となります。
よくある質問
2026年度の酒ディプロマ試験日程はどうなっていますか?
出願期間は2026年3月2日〜7月10日、一次試験は7月15日〜8月26日(CBT方式)、二次試験は9月28日です(2026年度の出願および一次試験は終了しています)。
酒ディプロマとソムリエ試験の勉強法はどう違いますか?
ソムリエ試験は分厚い教本から主要産地や要点を中心に学習するのが一般的ですが、酒ディプロマは教本が約250ページとコンパクトなため、細部まで満遍なく出題されます。教本そのものを何度も読み込む学習が適しています。
教本以外の教材は必要ですか?
一次試験の出題は公式教本に準拠しています。市販教材を増やすよりも、公式教本を精読し、問題演習と復習を繰り返す学習が効率的です。
独学でも合格できますか?
公式教本の精読と問題演習の反復により、独学での合格は可能です。短期間の集中学習で合格した受験者もいます。
酒ディプロマの合格率はどのくらいですか?
2017〜2024年の実績では35〜44%で推移しており、8年間の平均は約40%です。
勉強時間はどのくらい必要ですか?
学習計画の一例として100〜300時間を見込み、演習結果や前提知識に応じて調整します。日々の進め方や前提知識により差があり、50時間未満で合格した例もあります。
酒ディプロマときき酒師はどちらを受験すべきですか?
目的によって分かれます。きき酒師はSSI主催でサービスや提供の実践力を重視し、合格率は約80%と公表されています。酒ディプロマはJ.S.A.主催で醸造理論や産地情報などの知識を問う試験で、合格率は約40%です。
教本の確認と演習の積み重ねが合格への近道
公式教本を確認し、問題演習で理解度を確かめながら進めましょう。頻出項目だけに山を張るのではなく、教本全体を問題演習と行き来しながら確認していくことが合格への確実な道筋です。
- 教本を精読する(講義動画で醸造機構などのイメージを掴む)
- 問題を解いて自分の知識の穴を見つける
- 模試形式で時間配分と不得意分野を把握する
- 間違えた部分を教本に戻って読み直す
隙間時間を活用した問題演習には、章別・分野別に対策できるWebアプリの利用が手軽です。実際の学習手順の詳細は酒学道場を使った学習法で解説しています。また、一次試験通過後には二次試験(テイスティング・論述)が控えています。論述試験の傾向と準備については論述試験対策の解説を参考にしてください。
関連記事・学習ツール
参考文献・情報源
📝 更新履歴
- 2026年2月26日:初版公開
- 2026年9月17日:本文と関連情報を見直し、説明を整理
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